レーシック手術で失敗しない為の予備知識

レーシック手術後の合併症

 

レーシック手術を検討している方の中には、
術後の合併症が怖くて、
手術に踏み切れない方もおられるでしょう。

 

まず、最初に言葉の意味を
混同させてしまうことが多いのが、
合併症と後遺症です。

 

レーシック手術における合併症とは、
不具合が一過性のもので、
恒久的には残らず治療で治る状態を言います。

 

後遺症とは、不具合が半永久的に残ってしまい、
角膜移植など最終手段の治療が
必要とされる状態を言います。

 

エキシマレーザーを使ったレーシック手術は、
非常に精度が高いと言われています。

 

ですが、レーシックを受ける患者全員に
100%の精度で手術を行うことは、
現実的には不可能だと言われています。

 

そのため、個人差はありますが、
レーシック手術後に
合併症を伴うケースもあります。

 

合併症には頻度の高いものから、
稀に起こるケースなど様々なものがあります。

 

中にはフラップの不具合や
感染症などの重度の合併症もあり、
後遺症として残る場合もあります。

 

重度の合併症が発症する可能性は、
1%未満と言われています。

 

合併症のほとんどは、
自然経過の中で改善されていきます。

 

もしくは、治療することで、
治すことができます。

 

レーシック手術後に起こる合併症には、
光を眩しく感じたり、物が二重に見えたり、
コントラストが低下したり、目の痛みを感じたり、
見え過ぎによる吐き気や頭痛を伴う
体調不良などがあります。

 

この他のレーシック手術後の合併症としては、
ドライアイ、角膜混濁、角膜拡張症、
角膜上皮障害、角膜内皮障害、感染症、
サハラ砂漠症候群、フラップ形成不全、
不正乱視、上皮迷入、結膜下出血、
セントラルアイランド、眼圧上昇、
視力低下などがあります。

 

聞きなれない用語も多いと思いますので、
一つ一つ簡単に説明していきます。

 

ドライアイ

 

ドライアイはレーシック手術後に、
よくある合併症の一つです。

 

アメリカの調査では、術後33%の方に
ドライアイが発症すると言われています。

 

ドライアイになる原因は、
フラップを作成する時に
角膜の神経が切断されることで、
涙が出にくくなるためです。

 

個人差はありますが、
術後数ヶ月から1年ほどは、
目が乾燥しやすい状態が続きます。

 

長期間コンタクトレンズを使用した人や
角膜が薄い人はドライアイになりやすいと
言われています。

 

ドライアイになると人工涙液や
涙点プラグを使用すると症状が改善されます。

 

ただし、ドライアイは悪化することもあるので、
注意が必要です。

 

角膜混濁

 

角膜混濁は別名を
「ヘイズ」とも言われています。

 

角膜混濁とは何から原因によって、
角膜の黒目にあたる部分が濁ってしまう状態です。

 

角膜混濁になると視界がぼやけたり、
目がかすんでしまうようになります。

 

また、酷くなると視力が低下したり、
目が充血したり、異物感を感じるようになります。

 

角膜混濁は先天性のものもありますが、
レーシック手術後になることもあります。

 

特にエピレーシックやPRK(ピーアールケー)、
レーゼックなどの術式における副作用として、
角膜混濁になる可能性があります。

 

これらの術式は通常のレーシックとは違い、
ボーマン膜と角膜実質層をレーザー照射で削ります。

 

 

ボーマン膜には再生能力がありません。

 

レーシック手術によりボーマン膜が失われても
視力に影響はないと言われています。

 

ボーマン膜には角膜の強度を
保つ役割があると言われていますが、
具体的な研究データは存在しません。

 

ですが、ボーマン膜が失われることで、
角膜混濁になる原因になっているとも言われています。

 

ちなみに、先天的に角膜混濁がある人は、
レーシック手術が出来ない可能性があります。

 

角膜拡張症(ケラトエクタジア・エクタジア)

 

角膜拡張症はレーシック手術後に
何らかの原因で角膜が変形して
前に飛び出した状態になります。

 

 

角膜拡張症になると屈折率が変化するため、
近視や乱視が発生して、
視力が急激に低下することがあります。

 

角膜拡張症はメガネやコンタクトレンズを使用しても
矯正できないほどの重度の症状になると、
角膜移植手術が必要になる場合もあります。

 

また、角膜拡張症は進行が早いので、
早急に治療しないと最悪の場合は、
失明に近い状態になることもあります。

 

角膜拡張症の治療法としては、
クロスリンキングや角膜内リングが、
有用とされています。

 

現在、日本における角膜拡張症の発症率は、
推定で10,000分の1ぐらいと言われています。

 

また、初期の頃に円錐角膜という病気の方が、
レーシックを受けた場合に角膜拡張症になることが、
稀にあったとも言われています。

 

発症率は低いですが、
角膜拡張症になる可能性もあることを知った上で、
レーシック手術を検討するようにしましょう。

 

残念ながらレーシック手術前の適応検査で、
角膜拡張症を発症する可能性を
見分けることは出来ないと言われています。

 

レーシック手術後に角膜拡張症ならないためには、
術後に目をこすらないようにすることです。

 

術後に目をゴシゴシこする人は角膜が突き出て、
角膜拡張症になる可能性が高いと言われています。

 

特に花粉症の人は要注意です。

 

目が痒くなる度にこすっていると、
それが原因で角膜拡張症になるかもしれません。

 

そのため、花粉症の人は、
花粉が多く飛ぶ時期を外して、
レーシック手術を受けるといいでしょう。

 

また、レーシック手術後に妊娠した方も、
注意する必要があります。

 

妊娠中は角膜が柔らかくなって、
角膜拡張症を発症しやすくなると言われています。

 

もし、レーシック手術後に妊娠して、
見え方に異常を感じた場合は、
すぐにレーシック手術を受けたクリニックに相談し、
角膜の状態を調べてもらいましょう。

 

角膜上皮障害

 

角膜上皮障害とは何らかの原因により、
角膜上皮に傷がついて障害が出る状態です。

 

角膜上皮障害には軽度のものから重度のものまで、
大きく分けると3つに分類されます。

 

点状表層角膜症は、
角膜上皮の一部がはがれている状態です。

 

角膜上皮びらんは、
角膜上皮全層がはがれている状態です。

 

点状表層角膜症が悪化して発症したり、
コンタクトレンズの使用が
原因となることもあります。

 

角膜上皮びらんになると、
目に異物を感じたり、目がしみたり、
目が充血したり、目に激痛が起こったり、
まぶたが腫れたりするなどの症状が
出ることもあります。

 

また、そのまま放っておくと、
角膜浸潤や角膜潰瘍になることもあります。

 

角膜潰瘍は、角膜上皮から
角膜実質まで傷が進行して、
角膜実質の一部が欠損した状態です。

 

角膜潰瘍になると目のバリア機能が低下するので、
感染症にかかりやすくなります。

 

感染症にかかると潰瘍がさらに悪化して、
最悪の場合は失明することもあります。

 

 

角膜上皮障害の原因は
コンタクトレンズの長期使用や不適切な使用、
目に異物が入る、ドライアイ、
薬剤や感染によるものなどがあります。

 

また、レーシック手術後に
角膜上皮障害になることもあります。

 

角膜上皮障害の症状には涙が止まらない、
目が充血する、めやにが出る、まぶしく感じる、
視力が低下するなどがあります。

 

症状が軽い場合は、
抗生物質の入った点眼薬で治療します。

 

ですが、症状が重篤になると、
失明することもあります。

 

角膜上皮障害は目の病気の中でも
緊急性の高い病気のため、
早急に処置する必要があります。

 

角膜内皮障害

 

角膜内皮障害は角膜内皮細胞が減っていくことで、
障害が起こる状態です。

 

 

 

一度減ってしまった角膜内皮細胞は、
増えることはありません。

 

角膜内皮細胞の数が700個以下になると、
失明する可能性もあります。

 

角膜内皮障害の原因は先天性のものや
コンタクトレンズの長期使用や不適切な使用、
目の外傷や炎症、眼圧の上昇などもありますが、
レーシック手術によるものもあります。

 

角膜内皮障害は、
自覚症状がないまま進行します。

 

症状が出だすと角膜にむくみが出たり、
かすみが出たりすることがあります。

 

むくみが出ると角膜の透明度が落ちて、
水疱性角膜症になります。

 

症状が酷くなると角膜表面の細胞が剥がれて、
目に強い痛みを感じるようになります。

 

症状が進行して目の痛みが酷くなった場合は、
全層角膜移植術が行われることもあります。

 

感染症

 

レーシック手術後のドライアイが原因となって、
感染症になることがあります。

 

眼球の表面には、ブドウ球菌などの
細菌が常駐しています。

 

ですが、ドライアイで涙が出にくくなると、
細菌が増殖されて感染症になりやすくなります。

 

また、病院の衛生環境や手術環境が悪かったり、
器具の不衛生、手術前後の感染症予防対策を怠ると、
フラップを作る時に切開した角膜の傷口から、
カビやウィルスが侵入してしまうことがあります。

 

レーシック手術後に感染症になる確率は、
0.1〜0.2%だと言われています。

 

発症率は低いですが、0%ではないので、
注意する必要があります。

 

ちなみに、過去に某レーシッククリニックで、
手術に使う器具の消毒を怠ったため、
術後に角膜感染症にかかった患者が大量に発生し、
ニュースになったことがありました。

 

 

そのため、手術に使う器具を
使い捨てにしているクリニックでは、
感染症になるリスクを減らすことができます。

 

サハラ砂漠症候群

 

サハラ砂漠症候群はレーシック手術後に
角膜の蓋(フラップ)の内側に
何らかの原因で炎症が起こって、
砂漠模様のような混濁が見える状態を言います。

 

サハラ砂漠症候群になると見えにくくなるので、
日常生活に支障が出ます。

 

また、角膜にかゆみが出たり、
遠視や不正乱視になることもあります。

 

サハラ砂漠症候群の発症率は、
クリニックによっても違いますが、
概ね0.02〜0.08%だと言われています。

 

サハラ砂漠症候群の原因は手術時の洗浄液の残留や
術後の点滴薬による反応、感染症などがあります。

 

また、サハラ砂漠症候群は、
マイクロケラト―ムという器具に使われている
電動カンナの消毒不足により起こることもあります。

 

そのため、レーザー照射による
フラップ作成をすることで、
予防することが出来ます。

 

一度、サハラ砂漠症候群になると、
なかなか治らないため目に違和感を感じた時は、
早めに対処するようにしましょう。

 

サハラ砂漠症候群の治療法には、
フラップの洗浄や点眼薬になります。

 

フラップ形成不全

 

フラップ形成不全は、マイクロケラトームで
フラップを作成する時に起こる可能性のある合併症です。

 

例えば、フラップ形成不全には、
フラップが部分的にしか出来ない不完全フラップや
フラップを薄く削り過ぎてフラップに穴が開く、
ボタンホールフラップなどがあります。

 

フラップ形成不全が起こる原因は、
医師の技術不足や機器の性能によります。

 

フラップが上手く作れないと、
手術が中止されることもあります。

 

その場合は、3ヶ月以上経ってから、
再度手術が行われます。

 

フラップ形成不全の発症率は、
1%未満だと言われています。

 

アイレーシックやイントラレーシックによる
エキシマレーザーによるフラップの作成では、
厚さが均一になるために
フラップ形成不全が起こることはありません。

 

また、エピレーシックや
PRKではフラップが残らないので、
フラップ形成不全を心配する必要はありません。

 

不正乱視

 

一般的に不正乱視は、白内障や角膜潰瘍、
水晶体亜脱臼、円錐角膜などの
角膜の疾患によって起こります。

 

ですが、レーシックの術後に
フラップがねじれたり、
シワになったりすると、
角膜の表面がデコボコになって、
光の屈折が不規則になり
焦点が合わなくなります。

 

その結果、不正乱視になることがあります。

 

レーシックの術後に不正乱視になる主な原因は、
医師による手術ミスだと言われています。

 

また、適応検査で角膜の歪みに
気づかないまま手術をしてしまったり、
フラップの形成に失敗したりすることで、
不正乱視になるケースもあります。

 

不正乱視はメガネでは矯正できません。

 

不正乱視は乱視対応の
ハードコンタクトレンズで
矯正するのが一般的です。

 

この他に不正乱視は、
ウェーブフロントレーシックで
矯正が可能だと言われています。

 

ですが、最新の手術方法のため、
費用が高額になります。

 

上皮迷入

 

上皮迷入は何らかの原因で、
上皮細胞がフラップの下に入り込む合併症です。

 

ほとんどの場合は、
自然に治ると言われています。

 

ですが、稀に症状が進行していると
手術が必要になるケースもあります。

 

結膜下出血

 

フラップを作成する時に眼球が圧迫されます。

 

この時に目の白目部分の血管が傷ついて、
出血したり、赤くなってしまうことがあります。

 

ですが、出血は1〜2週間程度で、
自然に治まると言われています。

 

セントラルアイランド

 

セントラルアイランドは、
角膜の中央部に削り残しがあり、
島のように盛り上がった状態を言います。

 

主な原因は、レーザー照射する際に
角膜の表面からガスが発生して、
光が遮られて中央部の切除が
不十分になることだと言われています。

 

セントラルアイランドになると、
その部分を再度切除する必要があります。

 

セントラルアイランドはマキシマレーザーや
ニデックレーザーなどの最近機器では、
ほぼ起こることはありません。

 

また、ガス除去装置の付いている機器では、
セントラルアイランドは起こりません。

 

眼圧上昇

 

眼圧上昇は、術後に炎症を抑えるための
ステロイド系の目薬を使用することで、
発症することがあります。

 

術後に眼圧上昇があった場合は、
眼圧降下剤を使うことで症状が治まります。

 

視力低下

 

レーシック手術後に見え方の質が、
低下することがあります。

 

日光や蛍光灯がまぶしく感じたり、
夜間に光がにじんで見えたり、
暗い場所では視力の低下を感じることがあります。

 

ですが、これらの視力の低下は、
約90%の方は手術後6ヶ月以上経過すると、
改善したり消失すると言われています。

 

まとめ

 

レーシック手術後には程度の差はありますが、
合併症が起こる可能性があります。

 

レーシック手術における合併症は、
医師の技術や使用器具による合併症と、
個人差の過失による合併症があります。

 

医師の技術や使用器具による合併症を防ぐためには、
事前検査の段階でクリニックの衛生環境や
担当医師のレベル、手術に使う器具を
チェックしておくことが重要になってきます。

 

また、病院や医師のせいで合併症が起きた場合は、
どのような対応や処置をしてもらえるのか、
事前に確認しておきましょう。

 

無料で検査や治療をしてもらえるのか、
合併症を起こした場合、
どこまで保障してもらえるのか等を
しっかりと確認しておきましょう。

 

レーシック手術における合併症の発症率は、
各クリニックによって違います。

 

そのため、レーシックを
検討しているクリニックで、
合併症の発症率や合併症の種類、
合併症が起こった場合の対応などを
事前に確認しておきましょう。

 

万が一、合併症について
納得のいかない説明を受けた場合は、
他のクリニックを選んだ方がいいでしょう。

 

自分が納得できるまで担当医師と話し合って、
大丈夫だと思えるようになったら、
レーシック手術を受けましょう。

 

そうすれば、合併症が起きる可能性を
低くすることができます。

 

仮に、もし合併症が起きたとしても、
再手術や治療を含め、
どの程度アフターケアがされるのかを
確認することも忘れずにしておきましょう。

 

個人差の過失による合併症を防ぐためには、
手術後早期に目を強くこすったり、
目に物をぶつけたりしないことが大切です。

 

 


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